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最近ご依頼をいただく、多くのご家族。特にお子さまは、喘息(ぜんそく)、アレルギー、アトピー、じんましん、花粉症等なんらかの症状をお持ちです。現代日本人の多くがアレルギー体質とも言われています。
私達の家族では、長女はじんましん、次女は喘息で大変です。私達は花粉症と慢性鼻炎。友人の家庭でも同様に皆さん大変な思いをされています。
アレルギーや喘息といっても、実際に自分の子ども達が苦しむ姿に直面しないと、その辛さは理解できるものではありませんでした。風邪をこじらせ、ぜーぜーと息苦しく眠ることができない娘の姿はもう見たくありません。お医者さまからは、この子の状態。
『子どもだから耐えられていますが、大人でしたら 立つことも出来ませんよ。』
と聞いた時は、自分達にはどうすることもできない無力感や、変わってあげられないもどかしさで、本当に悲しかったです。
こうなる前に ちょっとした対策で予防できたのではないか?私達の遺伝の影響なのか?と自分達を責めた時期もありました。
偽善者のように聞こえるかもしれませんが、もう同じ思いはしてほしくありません。私達に出来る事で全てが解決するとは限らないかもしれませんが、お家づくりでできる喘息やアレルギーに対しての対策を考えました。これからの暮らしの参考にしていただければ嬉しいです。

喘息などの発症原因は環境の影響が大きいと言われています。生活環境ですと、ハウスダスト、ダニ、ペット、カビ類や屋外の花粉。特に最近の住宅は気密性が高くエアコンによって室内の温度が安定しているため、ダニやカビが繁殖しやすい環境となっています。
また、新建材や接着剤を多く使用した建物ではホルムアルデヒドなどの化学物質による室内汚染も無視できません。
食環境ですと、食物のうち抗原となるのは、ほとんどがタンパク質です。和食中心から卵、乳製品、肉類等の多い食事への食生活の変化によりタンパク質の摂取は格段に増加しました。また、食物に添加される防腐剤や着色料の使用量も増えていますが、これらも喘息増加の一因であると考えられています。
また、その他にも都市化、産業交通手段の発達に伴う大気汚染物質の増加、風邪やインフルエンザなど呼吸器感染の増加、心理的ストレスの増加などが原因と考えられています。工場の排煙は減りましたが、自動車の排気ガス中に含まれる窒素酸化物や浮遊状物質は、気管支の過敏性を高め、喘息症状を引き起こします。都市部では風邪は蔓延しやすく、それが原因となって悪化するケースもあります。家庭問題、職業・学業上の問題、健康問題、交友関係など精神的ストレスも原因と考えられます。
そういった生活習慣や環境の変化が複雑に絡み合って増加していると考えられています。

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ハウスダスト、ダニ、カビが喘息やアトピー性皮膚炎の3大アレルゲンとされています。特にダニは喘息の80%~90% が原因になっています。
そしてアトピー性皮膚炎はハウスダストが90%、ダニが88%、カビが71%原因になっていいます。ダニは相対湿度50%以上、カビは60%以上から繁殖します。
また、換気を行わない場合、掃除機やエアコンを作動させた後、舞い上がったダニの死骸や卵は1時間も空気中を浮遊しているそうです。

そして、その空気をどれほど吸っているかを考えました。
人が人生の中で摂取する物質の重量比は、多い順に、吸い込むもの(83%)、飲み物(8%)、食べ物(7%)の順になります。
その吸い込むものの中で一番大きな比重を占めるのが「自宅の空気」です。
なんと人が生涯を通じて体内に取り込む物質の56%を占める計算になります。

また、抗菌加工、防虫、防カビ加工を施した建材を多用し、無菌状態に近づけることが、健康への安全対策とされてきましたが、これらの加工が私達人間の生理機能を抑制することがわかってきました。
すでにベビー服業界では、乳幼児の皮膚を守っている善玉常在菌の数を減少させる抗菌加工を見直し、自然素材のままの素材が中心となっています。住宅の内装の抗菌加工の中での生活は、生体のバランスを崩し、ストレスをはじめとした免疫性の低下が報告されています。
まとめると喘息やアレルギーに対しては、湿度を適切に保つことが大切。計画的な換気が必要空気をきれいいに保つことが大切。肌に触れる場所は自然素材が良い。
といった事が重要とわかりました。

先程の問題点を解決するための対策として、私達がお勧めするのは、壁材として天然スイス漆喰やシラス壁、珪藻土を使用して、湿度を適切に保ち、カビやダニの繁殖を抑えます。

スイス漆喰などは呼吸しています。多孔質が湿気を吸収、放出して湿度を調節してくれるので、湿度の高い日本に適した壁材です。天然成分100%の壁は化学成分を使用した塗り壁とは違い、静電気の発生がなくハウスダストを寄せ付けません。また、成分は強いアルカリ性のため、アレルギー原因になる菌類、カビ、ダニの繁殖を抑え、死滅させる効果があります。空気を浄化する機能もあり、空気中の嫌なにおいなども吸着・分解してくれます。

調湿効果で室内の湿度を一定に保ち、カビの発生自体を抑え、いつもきれいな空気で家を満たしてくれます。

計画的に換気することで、舞い上がったダニの死骸や卵をお家の外に排出します。、

掃除や、エアコンの気流で舞い上がったダニは1時間浮遊していて時間がくれば再度落下してきます。これに対して機械換気がきちんとなされているお家では、浮遊したダニの死骸は換気扇によって、室外に吐き出されます。その際、換気の際に外から花粉等のアレルゲンがお家の中に入らないようフィルター付きの給気口できれいな空気を室内に満たすことが大切です。

使用する換気システムは、ホテルに使用するような熱交換付きの全館空調や、高性能電子フィルター付きの換気扇を使用するのが望ましいですが、費用対効果を考えると一般的な換気方法で良いと思います。

無垢のフローリングを使用することで、免疫力を高め、森林と同じ癒しの効果。ストレスも軽減します。
乳幼児の皮膚を守っている善玉常在菌の数を減少させる抗菌加工を見直し、床には無垢のフローリングなど自然素材を使用します。無垢のフローリングには調湿効果や、温かさ、そして癒しの効果があります。そういった効果によってインフルエンザの繁殖も抑制されるといった研究結果もあります。
ただし、無垢材だからといって全てが安全というわけではありません。防虫効果の高い木材は、それが原因でアレルギーになる場合もあるようです。使用する木材は、相談して決定するのが良いですね。

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また、設備や仕上げ以外で行える対策として、
・湿気がたまらないように、部屋の風通しを行う。(網戸は花粉をブロックするもの)
・ふとんにも掃除機をかける。(布団専用の掃除機もあります)
・ふとんは乾燥させる(天日干しは花粉がつくので、布団乾燥機で)
・じゅうたんはできるだけ避け、掃除は頻繁に行う。(今は自動掃除機を活用するのもいいですね)

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アレルギーが良くなった おじょうさん

E様はお子さんのアレルギーが大変で、一般数値では想像のつかない数値でした。
そこで、お子さんが健康で暮らせることを一番に考え、有害な薬品などを一切使用せずに、下地材、仕上げ材、接着剤にいたるまで、すべて自然素材で建築させていただく提案をさせていただきました。床は無垢の杉、壁は天然スイス漆喰と珪藻土、天井は水性塗装です。
奥様とは、メールや電話で、ご契約前から完成まで本当にたくさんご相談させていただき、先日奥様のノートを拝見すると、ぎっしり打合せ内容が記載されており、私達のファイルも溢れるくらいの書類でした。
しかし、それだけお客様と一緒になって家づくりをした証です。
お家が完成し、お引き渡しの時。お子さんは家へ入ると、直観的に安全と感じたのか自分で靴下を脱いで、家中元気いっぱい歩きはじめました。そんな姿を見ると、うれしさで胸がいっぱいでした。
その後お子さんのアレルギーも少しずつ軽減され、元気に育っておられます。ご夫婦も笑顔が増えたと嬉しそう。

ぜんそくがおさまった お兄ちゃん

K様のお家は健康に配慮して床に杉の無垢材、壁にスイス漆喰を採用。
新しいお家で生活するようになってからはお子様のぜんそくもおさまり、健康にすくすく育っているようです。K様もこれもスイス漆喰のおかげかな。と大満足。
ご夫婦も自分達のストレスが和らいでいるのを感じられるそうです。

花粉症の症状が出なかった お兄ちゃん

Y様のお子さんは重度の花粉症で、お医者さんからも気長に治療を続けましょうねと言われていたそうです。
ところが、マンションから新築に引っ越してからは、あれほどつらかった花粉症の症状が出ませんでした。Y様の場合、アレルギーに良いからといった理由で、自然素材を選ばれた訳ではありませんでした。雰囲気がいいからと、スイス漆喰の壁や無垢のフローリングにされていましたので、花粉症の対策になるとは思われていなかったのです。
それでも花粉症の症状が出なかったということは、メンタル的なことが影響したのではなく、実際にアレルギーに効果がある。ということかもしれません。

今回ご紹介したご家族以外のお子さまも皆さん元気に育っておられます。
そんな子ども達の姿を見て、ご夫婦も本当に幸せそうです。
そんな幸せな家族がこれからも増えて欲しくて、喘息やアレルギーについてまとめさせていただきました。