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京からかみ

先日、お施主様から

京からかみ使いたいんです。

というお申し出がありました。

以前、友人宅に伺ったときに、襖紙に京からかみを使用しているのを見たことがあり、それがとても素敵だったことを覚えていたので、今回のお施主様の提案を聞いて、ぜひ京からかみやさんのお話を聞きにいこう!と思い立ち

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早速、京からかみの丸二さんに伺いました。

京からかみの模様は朴の木の木版で、最も古いものは180年前の物もあるそうです。

伝統的な文様は手で彫り上げられていて、そこに雲母、胡粉、布海苔、顔料などを調合した絵具をのせて刷り上げていきます。

襖紙が大きいのに対して、木版はとても小さく(私の見た目ではB4サイズくらいに感じました。)そのデザインは端と端がきちんとつながるように作られているので、職人の方は木版の継ぎ目を図ってから、慎重に刷っていくそうです。木版の種類もたくさんありますが、そこにのせる絵具の色もたくさんあり、注文する際に自由に選ぶことができるので、一つだけの京からかみを作ることも可能だそうです。すごい!

近くで見る京からかみは立体的で、やさしい風合いで、とても温かい気持ちになるものばかりでした。

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昔から伝わる京からかみの文様はおめでたいものやお茶の世界にまつわるものが多く、とてもきれいなものや、かわいらしいものもたくさんありました。ちなみに写真の「うず」は茶道の裏千家好みのものだそうです。たくさんの文様があるのにも関わらず、聞けばさっと答えてくださる、丸二の社長さんもとても素晴らしかったです。

襖紙も素晴らしいのですが、引手のデザインもたくさんありました。

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こちらの写真は色々な引手の一部です。ミッキーデザインなんていうのもありますね(笑)

昔の日本人は襖紙は消耗品だけど、引手は長く使うものなので、引手にこだわる方が多かったそうです。

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こちらは千鳥の引手です。開けようとするたびに思わず微笑んでしまいそうですね。

襖紙としてしか使えないのかと思ってしまいそうですが、最近では壁紙として使われる方も増えているそうです。

不燃壁紙として使えるそうで、和モダン風のお部屋づくりに使えるので、最近では有名ホテルの壁紙や天井などにも使われているそうです。

機械を使わないものなので、どうしてもコストが高くなります。一般住宅の全体の壁に使うというのは難しいですが、アクセントに使うのはとても素敵だなと感じました。

丸二さんでは京からかみをより身近に感じてもらおうとおしゃれな商品もたくさん作ってありました。

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ちょっと和風なスペースを作りたいときに、あると素敵なものばかり。

ここには書ききれないほど、たくさんのお話と、京からかみの作品を見せて頂きました。

とても素敵な時間でした。

丸二さんでは、皆さんに京からかみに親しんでもらうために、ショールームのそばにワークショップ施設を造られているそうです。

実際に京からかみを刷る体験ができたり、自分が刷った京からかみを使って作品を作ったりできるそうですよ。8月25。26日にオープニングイベントもあるとか。

我が家も子ども連れでぜひまた訪れたいと思いました。

京からかみを使いたいとおっしゃったお施主様とも、どのデザインを取り入れるか相談しようと思います。